【小児矯正】床矯正で後悔しないための全知識を徹底解説

医院ブログ

「うちの子の歯並び、このままで大丈夫かしら?」

学校の歯科検診で指摘されたり、ふとした瞬間にお子様の口元が気になったり。
そんな時、かかりつけの歯医者さんから「床矯正(しょうきょうせい)」という治療法を提案されることがあります。

この記事では、お子さんの口元にお悩みを抱える親御さんのために、小児矯正における「床矯正」の全てを徹底的に解説していきます。
メリットはもちろん、デメリットやリアルな失敗例、そして気になる費用など、専門外の方でも分かりやすくお伝えします。
この記事を最後まで読めば、たくさんの情報に惑わされることなく、お子様にとって最善の選択をするための確かな知識が身につくはずです。

 

まずは基本から!小児矯正で注目される「床矯正」とは?

床矯正とは、一言でいえば「歯がキレイに並ぶための土台(顎)を、お子様の成長する力を利用して整える」治療法です。

無理やり歯を動かすのではなく、顎の骨がまだ柔らかい成長期に行うことで、将来的に永久歯がきちんと並ぶためのスペースを確保することが主な目的になります。
そのため、小児矯正の早い段階(I期治療)で用いられることが多いのが特徴です。

 

なぜ顎を広げるの?床矯正の仕組み

お子様の歯がガタガタになってしまう根本的な原因の多くは、顎が小さく「歯が並ぶためのスペースが足りない」ことにあります。

床矯正では、「拡大床(かくだいしょう)」という取り外し式の装置を使います。
この装置の中心にはネジが埋め込まれており、ご家庭で定期的にこのネジを少しずつ回していただくことで、プレートが左右に広がり、顎の骨をゆっくりと拡大していく仕組みです。

床矯正の基本ステップ 説明
Step1. 装置の装着 お子様専用に作られた拡大床を、決められた時間装着します。
Step2. ネジを巻く 保護者の方が、歯科医の指示に従って週に1〜2回、専用のキーでネジを巻きます。
Step3. 顎の拡大 ネジを巻くことで装置がわずかに広がり、顎の骨にゆっくりと力をかけて幅を広げます。
Step4. スペース確保 顎が広がることで、永久歯が正しく生えるためのスペースが確保されていきます。

このように、お子様自身の成長する力を最大限に活用しながら、歯並びの土台を根本から改善するのが床矯正の考え方なのです。

 

「何歳から始めるべき?」最適な開始時期と治療期間の目安

床矯正を始めるのに最適な時期は、一般的に5歳から12歳頃の、乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」といわれています。
この時期は顎の成長が活発なため、装置の効果が出やすいからです。

ただし、YOSHIDA矯正歯科クリニックでは、画一的な年齢だけで判断することはありません。
お子様一人ひとりの成長スピードは異なるため、レントゲンによる顎の骨の状態分析に加え、手の骨の発育状態を見る「骨年齢」の測定なども行い、その子にとって本当に最適なタイミングを見極めることを重視しています。
治療期間は症例によって異なりますが、およそ1年から3年程度が目安となります。

 

床矯正のメリットと知っておくべきデメリット

治療を選択して後悔しないためには、良い面だけでなく、厳しい現実もしっかりと理解しておくことが不可欠です。
ここでは、実際に治療を経験した親御さんの声をもとに、床矯正のリアルなメリットとデメリットを掘り下げていきます。

 

やってよかった!親が実感する5つのメリット

まずは、床矯正を選んで良かったと感じる点から見ていきましょう。

  1. 将来の抜歯リスクを減らせる
    顎を広げてスペースを確保するため、永久歯が生え揃った後の本格的な矯正で、健康な歯を抜かずに済む可能性が高まります。
  2. 取り外せるから衛生的
    食事や歯磨きの際には装置を取り外せるため、食べ物が詰まる心配が少なく、虫歯のリスクを管理しやすいです。
  3. ワイヤー矯正より痛みが少ない
    歯を直接動かすワイヤー矯正に比べ、顎をゆっくり広げるため、治療に伴う痛みが少ない傾向にあります。
  4. 比較的費用を抑えられる
    全ての歯に装置をつける本格的な矯正(II期治療)に比べ、費用が安価な場合が多いです。
  5. 口呼吸などの悪い癖の改善も期待できる
    装置によっては、舌の正しい位置を覚えさせたり、口呼吸を鼻呼吸に促したりする効果も期待できます。

後悔しないために…知っておくべき5つのデメリットとリアルな失敗談

一方で、床矯正には知っておかなければならない注意点も存在します。
これらを理解しないまま治療を始めると、「こんなはずじゃなかった」という後悔に繋がる可能性があります。

  • 本人の協力が不可欠で自己管理が大変
  • 全ての歯並びに適応できるわけではない
  • 治療期間が長引く可能性がある
  • 顔つきが変わってしまうリスクがある
  • 結局、仕上げの矯正(II期治療)が必要になることも多い 

失敗例1:自己管理ができず、治療が進まない・後戻りした

床矯正で最も多い失敗例が、装置の装着時間を守れないことです。
1日に12時間以上の装着を求められることが多く、お子様が嫌がったり、学校から帰ってきて外しっぱなしにしてしまったりと、自己管理が治療の成否を大きく左右します。

保護者の方が毎日チェックするのも大変で、結果的に十分な効果が得られず治療期間が延びたり、一度広がった顎が元に戻ってしまったりするケースは少なくありません。


【対策】 YOSHIDA矯正歯科クリニックでは、装着時間を記録・管理できるリマインダーアプリの活用や、ご家族向けのサポートプログラムを提供し、モチベーション維持をお手伝いしています。

失敗例2:顎は広がったが、歯並びはキレイにならなかった

「顎を広げれば、歯は自然にキレイに並ぶ」と期待してしまいがちですが、必ずしもそうとは限りません。
床矯正はあくまで歯が並ぶための「土台作り」(I期治療)です。

スペースはできても、歯一本一本の傾きやねじれを細かくコントロールすることは難しいため、最終的に美しい歯並びを完成させるには、ワイヤー矯正やマウスピース矯正といった「仕上げの治療」(II期治療)が必要になることがほとんどです。


【対策】 YOSHIDA矯正歯科クリニックでは、約80%の患者様がII期治療へ移行されます。初回のカウンセリングで、I期治療で終わる可能性、II期治療が必要になる可能性とその場合の費用まで、総合的な治療計画を正直にお伝えします。

 

失敗例3:「顔が大きくなった?」顔貌の変化に不満が残った

保護者の方が心配される潜在的な不安の一つに「顔つきの変化」があります。
不適切な診断のもとで過剰に顎を広げてしまうと、顔が横に広がったような印象になってしまうリスクはゼロではありません。

しかし、精密な検査に基づいて適切な治療を行えば、むしろ口元の突出感が改善され、バランスの取れた横顔(Eライン)になるなど、良い変化が期待できます。


【対策】 YOSHIDA矯正歯科クリニックの治療では、多くのお子様が顔貌の改善を認めています。セファロ分析などで骨格を詳細に分析し、顔全体のバランスを考慮した治療計画を立てることが、このような良い結果に繋がります。

 

床矯正の費用を徹底ガイド

治療を決断する上で、費用は非常に大きな要素です。
ここでは、床矯正にかかる費用の相場から、少しでも負担を軽くするための医療費控除まで、お金にまつわる情報を詳しく解説します。

 

費用の総額はいくら?内訳と相場をわかりやすく解説

床矯正の費用相場は、使用する装置の種類や治療の難易度によって異なりますが、一般的に20万円〜60万円程度です。
ただし、この金額には何が含まれているのかをしっかり確認することが重要です。

費用の内訳 内容 費用の目安
検査・診断料 レントゲン撮影や歯型採取など、治療計画を立てるための費用。 3万円〜5万円
装置代 拡大床などの矯正装置そのものの費用。 15万円〜50万円
調整料 月に1回程度の通院時にかかる診察・調整費用。 3,000円〜5,000円/回
保定装置代 治療後に後戻りを防ぐための装置(リテーナー)の費用。 1万円〜5万円

初回の提示金額に調整料や保定装置代が含まれているか、II期治療に移行する場合の費用は別途どうなるのかなど、カウンセリングの際に総額をしっかり確認しましょう。

 

知らなきゃ損!医療費控除の対象?申請方法と注意点

お子様の矯正治療は、噛み合わせの改善など機能的な問題を解決する「医療目的」と判断されれば、医療費控除の対象となります。
(※見た目を良くするためだけの審美目的の場合は対象外)

医療費控除とは、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が10万円を超えた場合に、確定申告を行うことで所得税の一部が還付される制度です。

 

医療費控除の申請ステップ
1. 歯科医院から発行された領収書をすべて保管しておく。
2. 翌年の確定申告期間(通常2月16日〜3月15日)に、税務署へ申告する。
3. 申告には「医療費控除の明細書」の作成が必要。

詳しくは国税庁のウェブサイトで確認するか、お近くの税務署にご相談ください。

 

治療の全貌|カウンセリングから完了までの流れと子どもの負担

実際に治療を始めたら、どんな生活が待っているのでしょうか。
ここでは、治療のステップと、親御さんが最も気になるお子様の負担について具体的に解説します。

 

初診から保定期間まで|治療ステップと通院頻度

治療は以下のステップで進んでいきます。
通院頻度は、治療が始まってからは月に1回程度が一般的です。

  1. 初診相談(カウンセリング)
    歯並びのお悩みや希望を伺い、治療の概要や費用について説明します。
  2. 精密検査
    レントゲン撮影、歯型採取、お口の写真撮影などを行い、詳細なデータを集めます。
  3. 診断・治療計画の説明
    検査結果をもとに、具体的な治療計画、期間、費用などをご提案します。
  4. 装置作成・装着
    お子様専用の装置が完成したら、装着方法やお手入れの仕方を練習します。
  5. 調整
    月に1回程度通院し、お口の状態をチェックし、装置の調整を行います。
  6. 保定
    計画通りに顎が拡大したら装置の使用は終了し、後戻りを防ぐための保定装置(リテーナー)に移行します。 

「痛い?喋りにくい?」子どものリアルな負担と親のサポート術

お子様が治療を乗り越えるためには、ご家族のサポートが欠かせません。
起こりうる負担と、その対処法を知っておきましょう。

子どもが感じる負担 親ができるサポート
痛み・違和感 装置を調整した後の2〜3日は、歯が浮くような痛みや圧迫感が出ることがあります。
発音のしにくさ 装着当初は、上顎に装置があるためサ行やタ行が話しにくく感じることがあります。
見た目・お友達関係 取り外し式とはいえ、装置をつけていることを気にするお子様もいます。

 

【まとめ】お子様の未来の笑顔のために、今できる最善の選択を

今回は、小児矯正における床矯正について、仕組みから費用、そしてリアルな失敗例まで詳しく解説しました。

床矯正は、お子様の成長を利用して歯並びの土台を整える、非常に有効な治療法の一つです。
しかし、お子様本人の協力が不可欠であることや、最終的に仕上げの治療が必要になる可能性が高いことなど、デメリットもしっかり理解しておく必要があります。

たくさんの情報があって何が正しいのか分からなくなってしまうかもしれませんが、後悔しないために最も大切なのは、信頼できる専門医を見つけ、納得できるまで相談することです。

YOSHIDA矯正歯科クリニックでは、丁寧なカウンセリングでお子様一人ひとりの成長段階と歯並びに合わせたオーダーメイドの治療計画をご提案しています。
少しでも不安なこと、気になることがあれば、ぜひ一度、お気軽にご相談ください。
お子様の輝く未来の笑顔のために、私たちが全力でサポートします。

監修者プロフィール

吉田 憲生(よしだ のりお)

 

歯科医師/YOSHIDA矯正歯科クリニック 院長

福岡歯科大学卒業。矯正治療に長年携わり、日本矯正歯科学会 認定医として、機能性と審美性の両立をめざした治療に取り組む。
最新の矯正技術を積極的に取り入れ、患者様一人ひとりに合わせた丁寧なカウンセリングを行っている

【所属学会】
・日本矯正歯科学会(認定医)

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