裏側矯正は「難しい」?後悔しないために知るべき7つの理由と対策

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「裏側矯正って難しい?」
「高額な費用をかけて失敗したくない…」

矯正装置が目立たない裏側矯正は、見た目を気にする方に非常に人気のある治療法です。
しかし、その一方で「治療が難しい」「大変らしい」といった噂を耳にし、一歩踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、裏側矯正がなぜ「難しい」と言われるのか、その理由を専門的な視点と患者様の視点の両方から徹底的に解説します。
さらに、ご自身が裏側矯正に向いているかどうかのセルフチェックや、後悔しないための具体的な対策もご紹介します。
この記事を読めば、裏側矯正への漠然とした不安が解消され、ご自身に最適な治療法を納得して選べるようになるでしょう。

 

なぜ裏側矯正は「難しい」のか?歯科医師と患者、2つの側面から解説

裏側矯正の「難しさ」は、単一の理由によるものではありません。
それは、治療を行う歯科医師にとっての「技術的な難しさ」と、治療を受ける患者様が感じる「日常生活での難しさ」という、2つの側面から成り立っています。
両方の側面を理解することで、裏側矯正への理解がより深まるはずです。

 

【歯科医師側】治療を困難にする3つの技術的要因

裏側矯正は、どの歯科医師でも簡単に行える治療ではありません。
そこには、表側矯正とは全く異なる、高度な専門技術が求められる理由があります。

  1. 装置の取り付け・調整が困難
    歯の裏側は、表側と比べて表面が複雑で凹凸が多くなっています。
    そのため、装置(ブラケット)を正確な位置に取り付けること自体が非常に難しい作業となります。
    さらに、直接見えにくく、器具も届きにくいため、ワイヤーの調整など全ての工程で精密な技術と集中力が要求されるのです。
  2. 歯を動かす力のコントロールが複雑
    歯を動かす際の力のかかり方(バイオメカニクス)も、表側矯正とは根本的に異なります。
    装置が歯の重心から離れた位置にあるため、特に前歯を引っ込める際に歯が内側に倒れ込みやすい傾向があります。
    これを防ぎ、歯を理想的な角度に保ちながら移動させるには、裏側矯正特有の力学を熟知している必要があります。
  3. 高度な専門知識と豊富な経験が不可欠
    上記の理由から、裏側矯正の治療結果は歯科医師の技術と経験に大きく左右されます。
    矯正治療の専門家である「認定医」の中でも、特に裏側矯正の症例を数多く手がけてきた医師でなければ、満足のいく結果を出すことは難しいと言えるでしょう。

【患者側】日常生活で感じる7つの「大変」なこととリアルな声

歯科医師側の難しさだけでなく、患者様自身が治療中に「大変だ」と感じる点もいくつか存在します。

  • 舌の違和感・痛み
    装置が舌に当たり、口内炎ができやすい
  • 発音・滑舌への影響
    サ行、タ行、ラ行などが話しにくくなる
  • 食事のしづらさ
    麺類や葉物野菜などが装置に絡まりやすい
  • 歯磨きの難しさ
    装置が見えず、磨き残しが出やすい
  • 治療期間の長期化
    表側矯正より3〜6ヶ月長くなる傾向
  • 高額な費用
    表側矯正の約1.5〜2倍が目安
  •  装置の破損リスク
    硬い物を噛むと装置が外れることがある

特に気になる「滑舌」については、舌の動きが装置に制限されることが原因です。
多くの場合、会話を重ねるうちに舌が装置の位置を覚え、自然な発音に近づいていきます。
また、食事や歯磨きの難しさは、専用の歯ブラシや補助器具を使うことで大幅に改善できるでしょう。

 

【セルフチェック】裏側矯正ができない・向いていない人の8つの特徴

裏側矯正は優れた治療法ですが、全ての方に適しているわけではありません。
ここでは、ご自身の歯並びやライフスタイルが裏側矯正に向いているかどうか、チェックしてみましょう。

特徴1:噛み合わせが深すぎる(過蓋咬合)

上の前歯が下の前歯に深く被さっている「過蓋咬合」の方は注意が必要です。
噛み込んだ際に、下の前歯が上の歯の裏側に付けた装置に強く当たってしまうことがあります。
これにより、装置が外れたり、破損したりするリスクが高まるため、適用が難しいと判断される場合があります。

特徴2:歯並びの乱れが極端に大きい(重度の叢生)

歯が複雑に重なり合っている「重度の叢生」の場合、歯の裏側に装置を付けるための十分なスペースがないことがあります。
また、抜歯を伴うような大きな歯の移動が必要なケースでは、より効率的に力をかけられる表側矯正の方が適していることもあります。

特徴3:重度の歯周病にかかっている

歯を支える骨や歯茎が弱っている重度の歯周病の場合、矯正治療の力でさらに症状が悪化する恐れがあります。
これは裏側矯正に限らず、全ての矯正治療に言えることです。
矯正を始める前に、まずは歯周病の治療をしっかりと完了させることが最優先となります。

特徴4:舌が大きい、または無意識に舌で歯を押す癖がある

もともと舌が大きい方や、舌で前歯を押す癖(舌癖)がある方は、装置による違和感をより強く感じる可能性があります。
常に舌が装置と擦れることで、口内炎が頻繁にできてしまうことも考えられます。
癖については、トレーニングで改善することも可能です。

特徴5:金属アレルギーがある

裏側矯正で使われる装置の多くは、金属(ニッケルチタンなど)を含んでいます。
そのため、金属アレルギーをお持ちの方は、アレルギー反応が出てしまう可能性があります。
治療前にパッチテストを受けるか、アレルギー対応の素材を扱っているクリニックを選ぶ必要があります。

特徴6:アナウンサーなど滑舌が仕事に直結する

治療初期には、多くの方が一時的に滑舌の影響を受けます。
アナウンサーやコールセンター、営業職など、発音の明瞭さが仕事に大きく影響する職業の方は、この点がデメリットになるかもしれません。
治療開始のタイミングを長期休暇に合わせるなどの工夫も考えられます。

特徴7:痛みに極端に弱い、または丁寧な歯磨きが苦手

裏側矯正は、舌への刺激や歯磨きの難しさを伴います。
痛みに非常に敏感な方や、毎日の丁寧なセルフケアを続ける自信がない方にとっては、治療が大きなストレスになる可能性があります。
ご自身の性格や生活習慣も、治療法を選ぶ上で大切な要素です。

特徴8:費用や治療期間を最優先で抑えたい

裏側矯正は、オーダーメイドの装置製作や高度な技術を要するため、費用が高額で治療期間も長くなる傾向にあります。
もし「見た目」よりも「費用」や「期間」を優先したいのであれば、表側矯正や他の治療法の方がニーズに合っているかもしれません。

 

「難しい」を乗り越える!裏側矯正で後悔しないための5つの成功法則

ここまで裏側矯正の「難しさ」について解説してきましたが、適切な対策を講じれば、これらを乗り越えて満足のいく結果を得ることは十分に可能です。
ここでは、後悔しないために絶対に押さえておきたい5つの成功法則をご紹介します。

法則1:最重要!症例経験が豊富な「認定医」を選ぶ

裏側矯正の成否は、担当する歯科医師の技術力に大きく依存します。
クリニックを選ぶ際は、以下のポイントを必ずチェックしましょう。

  • 日本矯正歯科学会の「認定医」以上の資格を持つ医師か
  • クリニックのウェブサイトに、裏側矯正の症例写真が豊富に掲載されているか
  • カウンセリングで、医師がメリットだけでなくリスクも丁寧に説明してくれるか

特に重要なのは、その医師がどれだけ裏側矯正を手がけてきたかという「経験値」です。
複数のクリニックでカウンセリングを受け、信頼できる医師を見つけることが成功への第一歩となります。

法則2:カウンセリングでメリット・デメリットを徹底的に質問する

治療が始まってから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、カウンセリングでの情報収集は非常に重要です。
疑問や不安は、どんな些細なことでも遠慮せずに質問しましょう。

法則3:滑舌・食事・歯磨き…日常生活の「大変」を乗り切る工夫を知る

治療中のストレスを軽減するためには、日々のちょっとした工夫が効果的です。

  • 滑舌対策: 焦らずゆっくり話すことを意識しましょう。新聞や本を音読する練習も効果があります。
  • 食事対策: 治療開始直後は、おかゆやスープ、豆腐など柔らかいものを選びましょう。食べ物は小さく切ってから奥歯でゆっくり噛むと、装置に絡まりにくくなります。
  • 歯磨き対策: 先の細い「タフトブラシ」や、歯と歯の間を掃除する「歯間ブラシ」、水流で汚れを落とす「ウォーターピック」などを活用すると、磨き残しを格段に減らせます。

裏側矯正の「難しい」に関するQ&A

ここでは、記事の本文で触れきれなかった、よくある質問にお答えします。

Q. 滑舌には、どのくらいの期間で慣れますか?
A. 個人差が大きいですが、多くの方が2週間から1ヶ月程度で日常会話に支障がないレベルまで慣れてきます。最初は話しにくさを感じますが、積極的に話すことで舌が装置に順応していきます。

Q. なんjや知恵袋の「やめとけ」という評判は本当?
A. ネット上のネガティブな意見は、治療がうまくいかなかった個人の体験談であることが多いです。その原因が、医師の技術力不足だったのか、患者様の口腔内の状況が非常に複雑だったのか、あるいは自己管理に問題があったのかは分かりません。情報を鵜呑みにせず、信頼できる専門医に直接相談することが大切です。

Q. 痛みはどのくらい続きますか?
A. 装置を付けた直後や、ワイヤーを調整した後の2〜3日が痛みのピークとなることが多いです。通常は1週間ほどで落ち着きます。痛みが強い場合は、クリニックで処方される鎮痛剤を服用することで対応できます。

【まとめ】不安を正しく理解し、納得のいく矯正治療を選ぼう

この記事では、裏側矯正が「難しい」と言われる理由を、歯科医師側と患者様側、両方の視点から解説しました。
確かに裏側矯正は、高度な技術を要し、患者様にも一定の慣れが必要な治療法です。

しかし、その「難しさ」の正体をきちんと理解し、信頼できる専門医と協力して対策を講じることで、デメリットを乗り越え、「誰にも気づかれずに歯並びを整える」という大きなメリットを享受できます。

大切なのは、漠然とした不安に惑わされることなく、正確な情報に基づいてご自身に最適な治療法を選択することです。
この記事が、あなたが自信を持って矯正治療への第一歩を踏み出すための助けとなれば幸いです。
まずは、経験豊富な専門医のカウンセリングで、あなたの悩みや希望を相談してみてはいかがでしょうか。

 

監修者プロフィール

吉田 憲生(よしだ のりお)

歯科医師/YOSHIDA矯正歯科クリニック 院長

福岡歯科大学卒業。矯正治療に長年携わり、日本矯正歯科学会 認定医として、機能性と審美性の両立をめざした治療に取り組む。
最新の矯正技術を積極的に取り入れ、患者様一人ひとりに合わせた丁寧なカウンセリングを行っている

【所属学会】
・日本矯正歯科学会(認定医)

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